ブロックチェーンとは


ブロックチェーンとは、2008年にサトシ・ナカモトという人物によって考案されたビットコインの中核技術です。ビットコインの一つ一つの取引はトランザクションと呼ばれ、「AからBに○BTC移動する」と言う形で記録されます。

約10分ごとにこれらのトランザクションは、ひとまとまりになった「ブロック」と呼ばれるデータを生成し、ブロック単位でトランザクションの承認が行われます。承認されたブロックは、鎖(チェーン)のように連結していくことによってデータの管理を行います。

2017年9月現在、約48万個のブロックからなる一本のチェーンに、ビットコインの全ての取引記録が記録されています。これが「ブロックチェーン」なのです。

出典:https://visualhunt.com

マイニング


ビットコインの性質上、全ての取引のデータを記録していく必要があります。その際に、誤った取引データや嘘の取引データでないか確認し、承認、記録していきます。その作業のことをマイニング(採掘)と言います。ビットコインのブロックチェーンでは、プルーフオブワーク(PoW)という方式が採用されており、ブロックを繋げるための「キー」を膨大な計算によって最初に見つけた者が次のブロックを生成することができます。

ハッシュ値とノンス
新しいブロックを繋げるためには、その取引が正しいことを証明するキーが必要になります。それがハッシュ値と呼ばれるものです。まず、最後に承認されたブロックのハッシュ値と新しく加える取引データ、そしてノンスと呼ばれる任意の値、これらをハッシュ関数という暗号を用いて256桁のハッシュ値を生成します。
この時、ハッシュ値の先頭の16ないし17桁がゼロになるようなノンスを探し当てます。ハッシュ値の先頭に16桁のゼロが並ぶのはかなり低い確率です。わずか10分の間に、何億回、何兆回という試行錯誤が手当たり次第にコンピューターによって行われ、マイニングが完了するのです。このとき消費されるエネルギーは非常に大きなものになります。

一つの取引が承認されると、また新しいブロックのマイニングが始まり、見事ハッシュ値を生成することができたマイナーには「12.5BTC」が報酬として与えられます。

ブロックチェーンは誰が管理しているの?


ブロックチェーンは分散型台帳技術とも呼ばれ、誰か特定の個人が管理するわけではありません。ブロックチェーンに参加する全てのコンピューターに同じブロックチェーンが保存されています。個々がネットワークによって繋がり、やり取りを行う「ピアツーピア方式(P2P)」によって管理されています。みんなで一緒に管理することで不正が起きないようにするのです

ブロックチェーンは改ざんできない


最近ビットコインの盗難被害や詐欺などという言葉をよく聞くため、不安に思う方も多いかもしれません。これらの被害の多くは、パスワードの流出によって本人になりすまされ、ビットコインを送金されてしまったなどというものです。正しい管理方法を知っていれば、絶対に盗まれることはありません。

なぜならビットコインの取引が記録されているブロックチェーンは改ざんができない仕組みになっているからです。正確に言うと、改ざんすることは可能だが全く割に合わないのです。

51%攻撃


51%攻撃とは、悪意のあるグループまたは個人が、ネットワーク全体の採掘速度の51%(50%以上)を支配し、不正な取引を行うことです。二重支払いが可能になるため、この攻撃を「二重支払い攻撃」とも言います。

悪意のある攻撃者が全ての採掘者を上回る速度で採掘を行うと、攻撃者が行った不正な取引(ブロック)「正しい」ものと認識されて、不正な取引の正当化、 正当な取引の拒否 、採掘の独占を行うことが可能となります。これは、ビットコインの最も長いブロックチェーン中の取引が正しい取引として認識されてしまう特性によるものです。

現在51%攻撃に対する有効な対策はありませんが、50%以上の採掘速度を確保するのは非常に高コストです。また、ビットコインを不正に得るために51%攻撃を行っても、51%攻撃の脅威でビットコインの価値が下がってしまうため攻撃者の利益には繋がりにくくなります。そのため、現実的にはこの攻撃が実行されることはないとされています。

しかし、2013年12月において、実際にGhash.ioと言うビットコインのマイニングプールの採掘速度が50%を超えそうになり、この51%攻撃が大きな話題となり、ビットコインの値も下がりました。また、ビットコイン以外の参加者が少ない仮想通貨では、全体の採掘速度が小さいため、より51%攻撃の危険性が高いとされています。

ブロックチェーンの種類


ブロックチェーンにはいくつかの種類があり、ビットコインのブロックチェーンはその一つに過ぎません。ビットコインに続いて有名なイーサリアムのブロックチェーンはプライベート型のブロックチェーンにも対応しており、また使用言語も異なります。

また、全ての仮想通貨がブロックチェーンを採用しているわけではありません。例えば、時価総額ランキング4位のリップルはブロックチェーンとは異なる管理方法を採用しています。

期待されるサービス


ブロックチェーンは既に身の回りの様々なところに応用されつつあります。その例を幾つか紹介していきます。
・支払い
・不動産取引
・食品管理
・個人の特定
・データ証明
・クラウドファンディング
・IoT  .....etc

ブロックチェーンとIoT


ブロックチェーンとIoTには非常に親和性があると言われています。IoTとはInternet of Thingsの略で、モノがインターネットを通じてネットに繋がり、相互に制御する仕組みです。

これからの時代、私たちの身の回りにあるものは全てIoTになると言われています。そうなった場合、同時に多数のモノがインターネットに接続しなくてはなりません。しかし、現在のデータベースサーバーではこれらの大量のアクセスに耐えることができません。そこで、ブロックチェーンの出番です。

分散型データベースによって処理を分散し、多くの情報をブロックにまとめてから処理を行うためサーバーへの負担が少ないです。さらにデータの改ざんのリスクが低いという利点もあります。そういったことから、IoTとブロックチェーンは切っても切り離せない関係にあるのです。

ブロックチェーンはインターネットと同じ成功をつかめるか

今年のはじめにIBM社が80カ国の20以上の業界に対してブロックチェーン採用に関する調査を行いました。その結果から回答者を3つのグループに分けることが出来ました。

すでにブロックチェーンの試用や実験を開始しているグループは各業界で平均8パーセントを占めており、金融サービス業など特定の業界ではより高い割合を占めていました。また、全体の25%程がブロックチェーンの将来的な採用を考えており、残りの約67%はブロックチェーンの採用を視野に入れていませんでした。

この様な調査結果はブロックチェーンのような複雑な新技術にとって珍しいものではなく、早期導入者が比較的少ないのが普通です。

ジェフリー・ムーア氏の理論を借りると、新しいハイテクノロジーを市場に浸透させるためには少数の消費者が初期市場を占める状態から、メインストリート市場で多数の実用主義者に支持される状態に持っていかなければならず、この2つの市場間にあるのが「キャズム(深い溝)」です。このキャズムを超えていけるかどうかで新技術の運命が変わります。


Image taken from U-site

このキャズムをどれくらいかけてどの様にして越えるか、答えと教訓はインターネットにあります。インターネットの早期導入時は大学や研究機関に使用が限られていましたが、徐々に民間での利用が始まり、10年も経つ頃には「キャズム」を超えて主流マーケットで多くのユーザーに利用されるようになりました。インターネットが「キャズム」を超えた成功の裏にはスタンダード、アプリケーション、管理という3つの主な要素があります。

下の表でインターネットとブロックチェーンを同じ要素別に比べてみました。

見出し編集インターネットブロックチェーン
スタンダード初期から常にスタンダードが設定されていた
(TCP/IP、SMTP、HTMLなど)
サトシ・ナカモトのビジョンと対立するビジョンも出てきておりスタンダードが無い
アプリケーションEメールやウェブなど、人々の日常生活とビジネスを格段に便利にするアプリケーションが誕生したブロックチェーンは新しい資産の創造や取引・管理に携わるため、継続的なケアと各方面との交渉と合意が必要なためインターネットと比べてアプリケーションの発展が難しい
管理国際組織が各団体間の協力とオープンイノベーションを促した複数の関係者が参画するオープンなプロセスでルール策定などを行う、グローバル管理ネットワークがブロックチェーンにも必要

ご覧の通り、どの要素においてもブロックチェーンはまだインターネットが到達している領域には届いておらず、結論としてブロックチェーンがキャズムを超えてメインストリーム市場に浸透するにはまだまだ各方面で調節して準備をする時間が必要になりそうです。

参考文献 Irving Wladawsky-Berger

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