価格の上昇が激しい仮想通貨。利益が出て喜んでいるという方も多いのではないでしょうか?
しかし利益…ということは税金がかかります...。得た利益に税金はどのようにかかるのでしょうか? (2017年10月30日現在)

通貨や税金の全体像を見ながら、仮想通貨に関係する税金について解説していきます。サラリーマンだけでなく学生や主婦の場合はどうなるのでしょうか?そんな疑問にもお答えします。

仮想通貨とは

日本における仮想通貨の定義は4月に改正された資金決済法に依ります。また仮想通貨は1号と2号に分けることが出来ます。

資金決済に関する法律 第二条 5   この法律において「仮想通貨」とは、次に掲げるものをいう。 一 物品を購入し、若しくは借り受け、又は役務の提供を受ける場合に、これらの代価の弁済のために不特定の者に対して使用することができ、かつ、不特定の者を相手方として購入及び売却を行うことができる財産的価値(電子機器その他の物に電子的方法により記録されているものに限り、本邦通貨及び外国通貨並びに通貨建資産を除く。次号において同じ。)であって、電子情報処理組織を用いて移転することができるもの 二 不特定の者を相手方として前号に掲げるものと相互に交換を行うことができる財産的価値であって、電子情報処理組織を用いて移することができるもの

法定通貨とは

「仮想」ではないいわゆる通貨の規定および通用力に関する規定についても確認しておきましょう。

通貨法2条3項 第1項に規定する通貨とは、貨幣及び日本銀行法第46条第1項の規定により日本銀行が発行する銀行券をいう。

日本銀行法46条第2項 日本銀行券は法定通貨として無制限に通用する。

民法402条 第1項 債権の目的物は金銭であるときは、債務者は、その選択に従い、各種の通貨で弁済をすることができる。ただし、特定の種類の通貨の給付を債権の目的としたときは、この限りでない。 第2項 債権の目的物である特定の種類の通貨が弁済期に強制通用の効力を失っているときは、債務者は、他の通貨で弁済をしなければならない。

消費税

当初仮想通貨は決済手段ではなくモノという扱いでした。そのため日用品を買うのと同様に消費税が課せられていましたが、7月より非課税となることが発表されました。

所得税

消費税はモノに課せられるものですが、所得税は金銭や資産の移動についても課せられることとなります。では、どのように税金を計算するのでしょうか。

所得税とは

個人の1年間の利益(所得)にかかるもの。累進課税制度が採られており、所得の増加に伴って税率が高くなっています。
所得税はその取得の種類において計算方法が定められており、課税対象金額を確定したのち係る税金を計算する形となります。

仮想通貨に係る所得税は所得税法上のどの類型にも当てはまらないため原則、同法35条の雑所得扱いで計算がなされます。

[平成29年4月1日現在法令等] ビットコインは、物品の購入等に使用できるものですが、このビットコインを使用することで生じた利益は、所得税の課税対象となります。 このビットコインを使用することにより生じる損益(邦貨又は外貨との相対的な関係により認識される損益)は、事業所得等の各種所得の基因となる行為に付随して生じる場合を除き、原則として、雑所得に区分されます。 (所法27、35、36)

ちなみに…

・FXの場合
雑所得扱い 国税庁タックスアンサー(https://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1521.htm)

・金の場合
譲渡所得扱い 国税庁タックスアンサー(https://www.nta.go.jp/taxanswer/joto/3161.htm)

金に似ていると言われる仮想通貨ですがモノとしての実体がない電磁的記録であるため税法上はFXや株式と同様に考えられるようです。では雑所得の場合の税金はどのくらいになるのでしょうか。

雑所得

雑所得とは、他の9種類の所得のいずれにも当たらない所得をいい、公的年金等、非営業用貸金の利子、著述家や作家以外の人が受ける原稿料や印税、講演料や放送謝金などが該当します。 ほかの所得と合算された総合課税で計算する必要があります。年末調整を受けた給与所得者の雑所得が20万円を超えると確定申告をする義務が発生しますが、その他控除などで確定申告をする場合は20万円以下であっても記載する必要があることに注意です。 国税庁HP

引用: www.nta.go.jp

雑所得計算例

雑所得の金額は、次の(1)と(2)との合計額です。 (1) 公的年金等 収入金額 – 公的年金等控除額 = 公的年金等の雑所得 (注) 公的年金等控除額は、受給者の年齢、年金の収入金額に応じて定められています。 (2) 公的年金等以外のもの  総収入金額 – 必要経費 = その他の雑所得

引用: www.nta.go.jp

まず、課税対象となる金額は?

仮想通貨は(2)公的年金等以外のものにあたりますので売値―買値の利益が課税対象となります。

ここで問題となるのが20万円の壁です。2つのパターンを考えてみましょう。

例1 ) サラリーマンであるAさんは仮想通貨を35万円で買い、48万円で売った。

48‐35=13 課税対象:13万円

例2 ) サラリーマンであるBさんは仮想通貨を20万円で買い、48万円で売った。

48‐20=28 課税対象:28万円


Aさんの課税対象が13万円であるのに対し、Bさんの課税対象は28万円となっています。

税法上の規定では確定申告義務者が次の通り定められています。

大部分の給与所得者の方は、給与の支払者が行う年末調整によって所得税額が確定し、納税も完了しますから、確定申告の必要はありません。 しかし、給与所得者であっても次のいずれかに当てはまる人は、原則として確定申告をしなければなりません。 1 給与の年間収入金額が2,000万円を超える人 2 1か所から給与の支払を受けている人で、給与所得及び退職所得以外の所得の金額の合計額が20万円を超える人 3 2か所以上から給与の支払を受けている人で、主たる給与以外の給与の収入金額と給与所得及び退職所得以外の所得の金額の合計額が20万円を超える人  ※ 給与所得の収入金額の合計額から、所得控除の合計額(雑損控除、医療費控除、寄附金控除及び基礎控除を除く。)を差し引いた残りの金額が150万円以下で、さらに各種の所得金額(給与所得、退職所得を除く。)の合計額が20万円以下の方は、申告は不要です。

この規定に基づき利益が28万円出ているBさんは20万円を超えますので確定申告をする必要があります。

*当然、Aさんが仮想通貨投資以外で雑所得にあたる利益を出している場合、20万円を超えれば確定申告の必要が生じてきます。

確定申告とは

・確定申告
日本の租税に関する申告手続きのこと。

1. 個人の1年の収入支出。医療費、寄付などから計算した所得を税務署に提出することで納付税額を確定すること。
2. 法人が事業年度における所得を税務署に提出し納付すべき法人税額を確定すること。
3. 消費税の課税事業者が消費税額を計算した書類を税務署に提出し納税額を確定すること。



個人の仮想通貨投資に関してはこの1の場合を考えます。

仮想通貨で得た利益は雑所得として個人の総所得へ算入し、その合計額により計算を行います。

税率と控除額は以下の通り↓

課税所得金額税率控除額
~195万円5%0円
~330万円10%97,500円
~695万円20%427,500円
~900万円23%636,000円
~1800万円33%1,536,000円
~4000万円40%2,796,000円
4000万1円~45%4,796,000円

例)雑所得を含めた所得が1000万円の場合

¥10,000,000(所得)×20%(税率)-¥636,000(控除額)=¥1,364,000(税金額)

学生や主婦の場合

では学生や主婦の場合はどのようになるのでしょうか?

・アルバイトやパートなどをしていない場合

先述の確定申告義務者の規定によると、確定申告の必要があるのは給与の支払いがある者とされているためアルバイトやパートをしていない場合は基礎控除分である38万円を超えなければ確定申告の必要はありません。



・アルバイトやパートをしている場合

・1か所で給与の支払いを受けている場合

雑所得が20万円以下であるならば確定申告の必要はありません。



・2か所以上から給与の支払いを受けている場合

主でない給与と雑所得の合計が20万円以下であれば確定申告の必要はありません。

また、収入の合計から控除分を引いた額が150万円を超えず、雑所得等の合計額が20万円以下であれば確定申告の必要はありません。



では利益とはどの時点のことを言うのでしょう?

課税義務の発生時期

共通認識とされているのは 「仮想通貨を円に換えたとき」 の時点です。

仮想通貨の状態で保有している場合の含み益は実際の利益ではないことが理由となります。つまり出金時でないことに注意!

しかしこれに加えて他の仮想通貨に換えたときも対象となるかについては意見が対立。

(収入金額) 第三六条  1 その年分の各種所得の金額の計算上収入金額とすべき金額又は総収入金額に算入すべき金額は、別段の定めがあるものを除き、その年において収入すべき金額(金銭以外の物又は権利その他経済的な利益をもつて収入する場合には、その金銭以外の物又は権利その他経済的な利益の価額)とする。 2 前項の金銭以外の物又は権利その他経済的な利益の価額は、当該物若しくは権利を取得し、又は当該利益を享受する時における価額とする。

上記36条の文言を厳格に解釈するのであればアルトコインに換えた時点で利益が出るのであれば課税対象とすべきです。アルトコインへの交換に関しても利益が出れば課税されると考えておいたほうが賢明でしょう。

資産評価のタイミング

法人税

企業が資産として仮想通貨を保有する場合は会計上の取り扱いについてのルールを定める必要があります。この場合法人税が問題となります。

こちらに関しては現在企業会計基準審議会(ASBJ)で検討中のようです。

(6) 仮想通貨に係る会計上の取扱いに関する指針 (主な内容) 仮想通貨交換業者に対する財務諸表監査制度の円滑な運用の観点、及び会計処理が明確 にされない場合には多様な会計実務が形成される可能性がある点を踏まえ、仮想通貨交換 業者及び仮想通貨の利用者における仮想通貨に係る会計上の取扱いについて検討を行って いる。 (今後の計画) 平成 29 年 10 月から 11 月頃に公開草案を公表することを目標として検討を行っている。

相続税

また、個人の仮想通貨の相続には相続税がかかります。

こちらについても政府方針では従来通貨と同様に相続税の課税対象とすることになっていますが明文での規定はありません。

〈参考〉
参考として同様に評価額が変動する株式の相続についての取り扱いについて記載しておきます。

・上場株式 …取引価格法により証券取引所公表の課税時期最終価格による。
・取引相場のない株式 …類似業種比準法もしくは純資産価額法を選択する形。

⇒株式においては価格が低い時点を狙っての相続が可能

まとめ

・消費税は非課税

・所得税は原則雑所得扱いで課税

・投資の利益を含めた雑所得が20万円を超えない限り確定申告の必要はなし

・円に換えたとき課税対象に。アルトコインに換えたときは課税対象と考えておくのが賢明

・法人税、相続税については税務署に問い合わせることが賢明

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