その存在は知っているものの、どのような仕組みになっているのか?わかりにくいのがビットコインを代表とする仮想通貨です。時価総額13兆円を超えるビットコインが、一体どのような仕組みで成り立っているのか、専門知識がなくても理解出来るように解説します。

https://coinmarketcap.com/currencies/bitcoin/

ビットコインとは

ビットコインとは仮想通貨の一つです。
正体不明のサトシ・ナカモトという人物によって作られたブロックチェーン技術を採用した最初の仮想通貨であり、仮想通貨の王様と呼ばれるほど人気がある通貨です。1000種類を超える仮想通貨の総時価総額のうち、50%を超える13兆円もの時価総額を誇っています。
概要は以下のようになります。

公開日      2008年10月
単位       BTC
システム     Proof of work
アルゴリズム   SHA‐256
開発者      サトシ・ナカモト
コイン発行上限  21,000,000BTC
ブロック生成間隔 約10分

ビットコインの仮想通貨の王様という立場ゆえにビットコインは他の仮想通貨と比べられることが多いので、ここではビットコインと法定通貨の違いを表で見ていきます。ちなみに法定通貨をFlat Currency、仮想通貨をCrypto currencyと呼びます。

法定通貨ビットコイン
発行者中央銀行、政府なし
発行量無限有限(2100万枚)
価値国による需要と供給による
取引情報非公開公開
発行方法中央政府の印刷マイニング

ビットコインの根幹、ブロックチェーンとは?

ブロックチェーンとは、2008年にサトシ・ナカモトという人物によって考案されたビットコインの中核技術です。ビットコインの一つ一つの取引はトランザクションと呼ばれ、「AからBに○BTC移動する」と言う形で記録されます。(BTCとはビットコインの単位)

約10分ごとにこれらのトランザクションは、ひとまとまりになった「ブロック」と呼ばれるデータを生成し、ブロック単位でトランザクションの承認が行われます。承認されたブロックは、鎖(チェーン)のように連結していくことによってデータの管理を行います。

2017年11月現在、50万個近いブロックからなる一本のチェーンに、ビットコインの全ての取引記録が記録されています。これが「ブロックチェーン」なのです。

ブロックチェーンの管理者は誰?

ブロックチェーンは分散型台帳技術とも呼ばれ、誰か特定の個人が管理するわけではありません。ブロックチェーンに参加する全てのコンピューターに同じブロックチェーンが保存されています。個々がネットワークによって繋がり、やり取りを行う「ピアツーピア方式(P2P)」によって管理されています。みんなで一緒に管理することで不正が起きないようにするのです。

ブロックチェーンは改ざんできない

最近ビットコインの盗難被害や詐欺などという言葉をよく聞くため、不安に思う方も多いかもしれません。これらの被害の多くは、パスワードの流出によって本人になりすまされ、ビットコインを送金されてしまったなどというものです。正しい管理方法を知っていれば、絶対に盗まれることはありません。

なぜならビットコインの取引が記録されているブロックチェーンは改ざんができない仕組みになっているからです。正確に言うと、改ざんすることは可能だが全く割に合わないのです。

ブロックチェーンとIoT

ブロックチェーンとIoTには非常に親和性があると言われています。IoTとはInternet of Thingsの略で、モノがインターネットを通じてネットに繋がり、相互に制御する仕組みです。

これからの時代、私たちの身の回りにあるものは全てIoTになると言われています。そうなった場合、同時に多数のモノがインターネットに接続しなくてはなりません。しかし、現在のデータベースサーバーではこれらの大量のアクセスに耐えることができません。そこで、ブロックチェーンの出番です。

分散型データベースによって処理を分散し、多くの情報をブロックにまとめてから処理を行うためサーバーへの負担が少ないです。さらにデータの改ざんのリスクが低いという利点もあります。そういったことから、IoTとブロックチェーンは切っても切り離せない関係にあるのです。

マイニング(採掘)とは?

ビットコインの性質上、全ての取引のデータを記録していく必要があります。その際に、誤った取引データや嘘の取引データでないか確認し、承認、記録していきます。その作業のことをマイニング(採掘)と言います。
ビットコインのブロックチェーンでは、プルーフオブワーク(PoW)という方式が採用されており、ブロックを繋げるための「キー」を膨大な計算によって最初に見つけた者が次のブロックを生成することができます。

ハッシュ値とノンス

新しいブロックを繋げるためには、その取引が正しいことを証明するキーが必要になります。それがハッシュ値と呼ばれるものです。まず、最後に承認されたブロックのハッシュ値と新しく加える取引データ、そしてノンスと呼ばれる任意の値、これらをハッシュ関数という暗号を用いて256桁のハッシュ値を生成します。
この時、ハッシュ値の先頭の16ないし17桁がゼロになるようなノンスを探し当てます。ハッシュ値の先頭に16桁のゼロが並ぶのはかなり低い確率です。わずか10分の間に、何億回、何兆回という試行錯誤が手当たり次第にコンピューターによって行われ、マイニングが完了するのです。このとき消費されるエネルギーは非常に大きなものになります。

一つの取引が承認されると、また新しいブロックのマイニングが始まり、見事ハッシュ値を生成することができたマイナーには「12.5BTC」が報酬として与えられます。

ビットコインのマイニング 電気代はいくら?

先程述べたように、マイニングをすることで報酬としてビットコインを得ることができます。一方で非常に大きなコストがかかるため、個人で行うには割に合わない状況です。そこで、中国のような電気代の安い地域で大勢でマイニングをすることで効率を上げているわけです。

個人でマイニングした際のリターンの参考例としては、1ヶ月間で106円の電気代に対して、72円分のビットコインを得ることが出来る、すなわち35円弱の赤字となる計算です。
計算量がものを言うビットコインに関しては個人でやるメリットは皆無と言えます。しかしながら、大勢で協力していくマイニング(クラウドマイニング)やその他の仮想通貨であれば個人でも利益を出すことが可能となっています。

ブロックチェーン技術はインターネット並みの革命??

現在では当たり前のように利用されているインターネットも歴史は浅く、日本では90年台から本格的に利用されるようになりました。ビットコインの根幹とも言えるブロックチェーンは、まさにインターネット並みの革新的アイデアとして今後様々な業界で応用されていくと期待されています。
では、具体的に現在までの状況をインターネットと比較しながら説明していきます。

今年のはじめにIBM社が80カ国の20以上の業界に対してブロックチェーン採用に関する調査を行いました。その結果から回答者を3つのグループに分けることが出来ました。

すでにブロックチェーンの試用や実験を開始しているグループは各業界で平均8パーセントを占めており、金融サービス業など特定の業界ではより高い割合を占めていました。また、全体の25%程がブロックチェーンの将来的な採用を考えており、残りの約67%はブロックチェーンの採用を視野に入れていませんでした。

この様な調査結果はブロックチェーンのような複雑な新技術にとって珍しいものではなく、早期導入者が比較的少ないのが普通です。

ジェフリー・ムーア氏の理論を借りると、新しいハイテクノロジーを市場に浸透させるためには少数の消費者が初期市場を占める状態から、メインストリート市場で多数の実用主義者に支持される状態に持っていかなければならず、この2つの市場間にあるのが「キャズム(深い溝)」です。このキャズムを超えていけるかどうかで新技術の運命が変わります。


Image taken from U-site

このキャズムをどれくらいかけてどの様にして越えるか、答えと教訓はインターネットにあります。インターネットの早期導入時は大学や研究機関に使用が限られていましたが、徐々に民間での利用が始まり、10年も経つ頃には「キャズム」を超えて主流マーケットで多くのユーザーに利用されるようになりました。インターネットが「キャズム」を超えた成功の裏にはスタンダード、アプリケーション、管理という3つの主な要素があります。

下の表でインターネットとブロックチェーンを同じ要素別に比べてみました。

見出し編集インターネットブロックチェーン
スタンダード初期から常にスタンダードが設定されていた
(TCP/IP、SMTP、HTMLなど)
サトシ・ナカモトのビジョンと対立するビジョンも出てきておりスタンダードが無い
アプリケーションEメールやウェブなど、人々の日常生活とビジネスを格段に便利にするアプリケーションが誕生したブロックチェーンは新しい資産の創造や取引・管理に携わるため、継続的なケアと各方面との交渉と合意が必要なためインターネットと比べてアプリケーションの発展が難しい
管理国際組織が各団体間の協力とオープンイノベーションを促した複数の関係者が参画するオープンなプロセスでルール策定などを行う、グローバル管理ネットワークがブロックチェーンにも必要

ご覧の通り、どの要素においてもブロックチェーンはまだインターネットが到達している領域には届いておらず、結論としてブロックチェーンがキャズムを超えてメインストリーム市場に浸透するにはまだまだ各方面で調節して準備をする時間が必要になりそうです。

参考文献 Irving Wladawsky-Berger


突如台頭してきた仮想通貨、ビットコイン、ブロックチェーンはまだ初期市場であり、普及には時間がかかります。しかしながら、今後ネット社会が発展すればするほど応用範囲も広がり、恩恵を実感することとなるでしょう。

ビットコインに関して、現在は投機的な一面が強いものの、価格の安定性さえ改善されれば機関投資家も介入してきて、さらに世に浸透してくることが予測されます。

現在は様々な解説本も出版されているので、さらに詳しく理解したい方は書店で手にとってみるのも良いかもしれません。

ビットコインの仕組み以外にも、仮想通貨関連の情報が知りたい方は当サイト「MoneyToday」を参考にキャッチアップしていただけたら幸いです。

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