2017年に入ってから、ビットコインから分裂して多くの通貨が誕生しています。
「分裂」「ハードフォーク」といった言葉を目にすることも多いです。
そこで以下では、2017年8月にビットコインからハードフォークする形で誕生したビットコインキャッシュの分裂騒動をまとめてみました。

分裂の経緯

2017年は仮想通貨元年と呼ばれていますが、今年に入って急激にビットコインが普及しました。
それに伴い、未処理のトランザクション(取引データ)の数が増加していきました。
以下が2016年12月以降の数をグラフにしたものになります。

2016年に比べて、2017年は増加していると分かります。
それに伴い世界中で行われる取引が増加していきました。しかしビットコインの構造上、一定期間に処理できるデータ量が決まっているため、全ての取引データに対応が出来ず、処理されない取引データが貯まっていきました。

このような問題を「スケーラビリティ問題」といいます。未処理のトランザクションが増えると、取引が承認されるまでにかかる時間が長くなってしまいます。素早く承認してもらうためにも、追加で手数料を支払わなければなりません。そのため、ビットコインの長所が失われていました。

スケーラビリティ問題への対応

一つ目の対応策:Segwit

この事態に対応するために考えられた方法が2つあります。
1つ目は、各取引データの容量を小さくする(segwit)」方法です。こちらはビットコインコアと呼ばれる開発者達に広く支持されました。こちらは分裂をする必要がないため、リスクは比較的小さいものでした。

しかし弱点もありました。それは取引データの容量を小さくするのには限界があるということです。そのため短期的に対応をすることが出来ますが、長期的にはどこかで限界が来てしまうという懸念がなされていました。その弱点を克服するために提案されたのが、segwit2xという方法です。segwit2xについては後述します。

二つ目の対応策:ブロックサイズの拡大

2つ目は「取引データをまとめるブロックのサイズを大きくする」という方法です。イメージとしては容器を大きくするような感じです。もともとビットコインのブロックサイズは1MBと決まっていたのですが、このサイズを大きくすることで中に入る取引データの量を増やすことが出来ます。

こちらは分裂をする必要があるため、リスクは比較的高いですが拡大するブロックのサイズに限界はないため、需要に合わせて対応することが出来ます。こちらを支持したのが中国を中心とした大手マイナー達です。

中国の大手マイナー達がsegwitではなく、二つ目のブロックサイズの拡大を支持した理由は他にもあります。
それはsegwitの導入によって、マイナー達の利権が失われてしまう可能性があったからです。
ビットコインのマイニングでは、Asicというツールを用いることで有利にマイニングを行うことが出来ました。しかしsegwitが導入されるとAsicを使うことが出来なくなるので、マイナー達の収益が下がります。これを危惧したという面もあるのです。

結果

これら2つの方法に対して、議論が重ねられました。しかし議論は平行線のままでした。この対立を抑えるために、2017年5月にニューヨークで関係者による会議が開催され、segwit2xという方法で合意がなされました。これがニューヨーク協定(NYA)の内容になります。
segwit2xは「segwitによって取引データの容量を縮小した後に、ブロックサイズを大きくする」という二つの案を組み合わせたものでした。

これに対して中国の大手マイナーであるViaBTCが主導をする形で、強硬的にビットコインからハードフォークして誕生したのがビットコインキャッシュ(BCH)です。またバックにはAsicを開発したマイニング企業であるBITMAIN社もいました。

ハードフォークとソフトフォーク

ソフトフォーク

まずソフトフォークとは、新しいバージョンのルールを導入した際にもともとのチェーンと新しく出来たチェーンの間に互換性が生まれるような分裂方法になります。もともとあったブロックからソフトフォークすると、2つの互換性があるブロックが別々に存在することになります。そのうち長いブロックチェーンが正式なブロックチェーンとして承認され、それに対してブロックが生成されます。そのため以前のチェーンが長くなってしまうと、新しい方で承認された取引が無効になってしまうというリスクがあります。これを阻止するために、ソフトフォーク前にマイナーの合意の形成が行われます。ちなみにビットコインのsegwit実装はソフトフォークによって行われました。

またソフトフォークでは以前のバージョンに対応したルールの追加を行うイメージになります。反対にルールを撤回する場合には、撤回することで以前のバージョンに対応できなくなってしまうので後述するハードフォークをすることになります。

ソフトフォークの場合、改変は限定的なものになります。しかし以前のブロックチェーンとの間に互換性があるということは、セキュリティが担保されているということなので相対的にリスクは小さくなります。

ハードフォーク

次にハードフォークについて説明します。
ハードフォークは通貨のルールを変更する場合に、変更前のルールを無視し、新しいルールを適応する分裂方法になります。そのため、前のルールのブロックチェーンとの間に互換性がなくなってしまいます。こちらの場合は期限までにアップデートしないと、かつての仕様のままになってしまうので注意が必要です。

またハードフォークの場合は2つの異なるルールの通貨が独立して存在することになるので、従来の通貨の方が存続する場合は通貨が2つあることになります。これが最近頻繁に行われている、新しい通貨を作るハードフォークになります。反対に、古いルールの方の通貨を破棄する場合もあります。

ハードフォークのメリットとしては、柔軟な変化をすることが出来るという点があります。以前のブロックとの間に互換性を持たせる必要がないため、大胆な改変をすることが出来ます。しかし大幅な改変は反対に言えば、セキュリティに不安を産んでしまう可能性もあるのでハードフォークがひとえに素晴らしいものではないということは注意です。

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