仮想通貨、特にビットコインが注目を集めた理由の一つに決済への利用がありました。法定通貨に変わるグローバル統一通貨としてビットコインが置き換わるのではないかと言われていたことも記憶に新しいものです。 しかし、それは実現しませんでした。
期待されていた理由は、国境を気にせず利用・送金できるという仮想通貨の特徴から。しかし、Segwitの問題やビットコインキャッシュの誕生からも分かるように実際には送金に多くの時間がかかり、送金づまりを起こし、多くの仮想通貨が値を下げたことがありました。
ビックカメラなど多くの店舗でもビットコイン決済のサービスを行っていますが、結局の所は送金手数料が高額となることから利用は微々たるものとなっています。様々な決済サービスの開始が発表されている今、今後の決済利用の可能性について考察してみたいと思います。
Bakkt

https://twitter.com/bakktapp
ボストン・コンサルティング・グループやマイクロソフト、スターバックスなどが参加する仮想通貨売買決済プラットフォーム・Bakkt(バックト)の設立が発表されました。
このBakktはインターコンチネンタル取引所によって立ち上げられるもので、サービス開始は11月に予定されています。証券取引所の規模の大きさと信頼性、そして大手企業の参加によってより巨大なプラットフォームとして稼働させることで、ETF取引の市場となることや、クレジットカードに置き換わる決済手段としての活用を目標としています。
Flexa

https://twitter.com/FlexaHQ/status/1018165464223109120
コード決済アプリのFlexa。
特徴は主に3つ。
・ビットコイン、イーサリアム、ビットコインキャッシュ、ライトコインなど多くの通貨に対応。今後は全仮想通貨ユーザーが満足できるよう順次拡充を続けていくとのこと。
・全世界35000箇所以上で利用できる。
・長いアドレスを入力する必要はなし。Flexcodeという独自のコードを専用端末にかざすだけで即座に支払いが可能
経営に携わるのは、決済大手PayPalやカード大手American Expressの元社員たち。多くのスタートアップ経営者を生み出している企業であり、グローバルに決済システムを提供している企業で経験を積んだ彼らの戦略に期待です。
電子マネーと何が違う?!
今回のFlexaの記事を見ると、電子マネーでいいのではないかと思われる方もいるでしょう。当初より手数料のかからない電子マネーでの決済は大変魅力的です。しかしグローバル視点で見てみると、電子マネーはおおよそが国内利用に限られており、海外では利用できないことが多くなっています。
対して、仮想通貨は国境のない通貨であるため、こういったサービスが普及すれば全世界どこでも利用することができるようになります。
ビジネスモデルは?
詳しくは記載されておりませんが、利用者からの手数料収入がないという特徴から考えると、事業者側から手数料を取るものと見られます。クレジットカードなどと同様に事業者側には現金を管理するコストを省けるほか、レジでの精算時間の短縮など効率化を図ることができるメリットがあるのではないでしょうか。
普及のカギは?!
電子マネーが普及している日本においてすぐに仮想通貨決済に置き換わるというのは現実的とはいえないでしょう。一方で電子マネーの普及の進んでいない海外の国などでは大いに普及する可能性があります。特に国家による法定通貨への信頼性の低い国などでは爆発的に普及する可能性があります。
そういったニーズが増えれば、事業者側も導入せざるを得なくなり、広まっていくものと見られます。既存のウォレットアプリにはない手数料無料という優位性がどこまで広まっていくのか、今後の動向に期待です。
まとめ
<普及にはこれが必要!?>
・読み取り機械の設置・普及
・知名度の向上
・電子マネーと比較した場合の優位性
・信頼性の向上
こういった部分に対する施策や改善策が打ち出されていけば、Flexaは一気に広まっていくと考えられますが、電子マネーの普及率が高く、優位性もあまりない現状を踏まえると日本での普及はかなりハードルの高いものと考えられます。
Bakktに関しては、ICEという信頼性の高い期間が運営していることや、すべてを網羅したプラットフォームという点から普及すれば決済の面でも広まっていく可能性が高いのではないでしょうか。
決済については2017年9月をピークとして利用が減少傾向にあるというニュースがありますが、こういった新サービスの展開、さらにはジャック・ドーシー率いる決済大手スクエア社の参入準備など期待要因が多数あります。本来の目的であった決済機能でのビットコインの需要拡大もあるかもしれません。
「海外に行くならクレジットカードが必須!」といわれることもありますが、少し先の未来では「海外に行くならビットコイン!」なんて時代も来るかもしれません。