取引所が破綻したらどうなる?

取引所が破綻すると、通常の営業が難しくなることは必至です。そのため、新規登録の受付停止や運営自体の休止が考えられます。

また、仮想通貨の盗難による破綻の場合は特に仮想通貨価格や通貨自体への信頼問題となるでしょう。

さらにユーザー側では仮想通貨の返還という可能性もあるものの、実例ではなかなか難しく円での返金、それに伴う税金の発生が考えられます。円換算する時期によっては損害賠償の余地もあるといえるでしょう。

▲取引所の破綻の影響

マウントゴックス事件

2014年当時、世界最大級のビットコイン取引所であったマウントゴックス(Mt.GOX)が、114億円分のビットコインが消失したとして民事再生法を申請し経営破綻した事件

ビットコインやブロックチェーンのシステムに対する攻撃ではなく、マウントゴックスという一つの取引所への攻撃であったに過ぎなかったものの、「ビットコインは危ない」などの印象が強くついてしまい、ビットコイン価格は当時11万円程度から2万円を割り込むまでに急落しました。

コインチェック事件

2018年1月26日に大手取引所のcoincheckから580億円相当のNEM(ネム)が盗まれた事件です。

こちらも、NEM自体の脆弱性の問題ではなく、コインチェック取引所がホットウォレット(オンライン管理)での資産管理を行っていたこと、マルチシグ(秘密鍵を複数にする)に対応していなかったことが問題であり、取引所の管理体制の甘さが突かれた結果となりました。

多くの利益を上げていたこともあり、消失分相当のNEMを日本円で返金するという改善策を打ち出し、完了。

経営破綻には至らなかったものの、セキュリティ的問題をはじめとした経営体制上の問題から大手ネット証券を擁するマネックスグループによって買収。現在は取引所再開に向け、金融庁登録を目指している状況です。

破綻と破産、倒産の違いって?

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経営破綻と倒産には明確な基準はないものの、東京商工リサーチや帝国データバンクにおいては経営破綻の中でも、手形不渡りや銀行取引停止処分を受けたもの等が倒産とされています。

日本における倒産法制は、主に破産法、民事再生法、会社更生法、会社法に基づく特別清算手続きの4つで構成されています。

● 経営破綻 - 借金が積み重なり、事業の継続が困難な場合

リーマンショックを引き起こしたリーマンブラザーズやバブル崩壊のあおりを受けた日本長期信用銀行、不正会計問題が明らかとなった山一證券などが有名な経営破綻事例となっています。

また、アメリカではエンロンやワールドコムといった大企業の不正会計が相次いで発覚したことでSOX法と呼ばれる投資家保護の法律が新たにできるなど経営破綻の与える影響は強いものとなっています。

マスコミでは、倒産という文言のイメージの悪さなどから経営破綻の文言が多く使われる傾向にあるようです。

● 倒産 - 手形不渡り・銀行取引停止処分を受けた場合

● 破産 - 倒産し、会社が消滅する場合

破産法:商人だけでなく一般自然人の破産をも規定する一般破産主義を採る日本の破産法は、2000年代に入り大規模な倒産が増加したことなどを理由に全面改正が行われ、現在の破産法は2005年より施行されています。

民事再生と会社更生って?

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破産とは異なり、会社は消滅しないものの倒産状態にある場合、民事再生や会社更生によって会社を再生させることができます。

● 民事再生

民事再生法:経済的に窮境にある債務者の事業や生活の再生を目的とする法律。経営陣を刷新することなく債務返済のプランを実行していくことで再生を図るのが民事再生ということになります。

マウントゴックス社など中小企業の申請が比較的多くなっていますがそごうや日本振興銀行なども民事再生を申請しています。

● 会社更生

会社更生法:株式会社が対象となり、事業の再生を目的とする法律。事業再生が最重要視されるため、原則経営陣は一新され外部のコンサルティングが強く介入します。

JALやハウステンボス、武富士などが申請したことでも有名です。

信託保全って?

FXTFの信託保全

FX会社では、顧客資産の分別管理を行うことに加え、信託というスキームを利用し保全していく信託保全によって顧客の財産を管理することが義務付けられています。

信託とは

信託の仕組みは三面関係にあります。委託者が受託者に信託を行い受益者に利益を享受させるものであり、信託の対象は信託財産となります。

FXTFの例に当てはめると、委託者(FXTF)が受託者(日証金信託銀行)に顧客財産を信託し、受益者を代理人として弁護士に設定することによって、万が一破綻した場合においても弁護士を通じてお客様の財産を保全するということになります。

<特徴> 信託財産の所有権が受託者に移転すること
お預かりしたお客様の財産の所有権は受託者である信託銀行に移転します。そのため、万が一破綻した場合においてもお客様の財産は破産財団に帰属しないため、委託者・受託者双方の債権者から強制執行をまぬかれることができます

取引所破綻リスクに備え 仮想通貨を保全 ‐三菱UFJ信託

 仮想通貨の取引所が破綻した場合に、利用者の通貨を保全する仕組みを信託銀行が始める。年金や不動産と同じように委託者の財産と別勘定で仮想通貨を預かる。まず三菱UFJ信託銀行が2018年4月にビットコイン向けに始める計画だ。

引用: www.nikkei.com

こちらはいまだ続報がないものの、信託保全についての動きは始まっていることは確かです。カストディやETFなど周りを固める施策が少しずつ動いていることがわかりますね。

デメリットとしては信託保全にかかるコストが問題となります。取引所としては万が一のリスクに対応するコストでしかないため、取引手数料の上昇など顧客にとってもコスト上昇の影響が出てくる可能性があります。自主規制団体も発足していますから、信託保全までをセキュリティの義務として入れてほしいところです。

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