スマートコントラクト機能によるICOへの利用や、格付けでビットコインを上回ったことなど、数多くの期待要因から2018年はイーサリアムの年になると言われていました。

しかし、2018年1月に16万円の値を付けてからは下落を続け、ついに2万円台に戻ってきてしまいました。今回はその原因を探っていきます。

イーサリアムとは

イーサリアムは2013年よりヴィタリック・ブテリン氏らによって開発が始められたブロックチェーンの仕組みを使った資産管理のプラットフォームを目指したプロジェクトです。

このプロジェクト内で利用する通貨をETH(イーサ)と呼び各取引所などで取引がされています。

現在の価格

2018年9月は8月に比べおよそ45%時価総額が減少

8月時点では3万円台後半で推移していたもののじわじわ下落。9月5日頃からは急落し現在は2万円代前半となっています。

▲時価総額ランキング(9/10時点)

▲イーサ(ETH)の価格推移

イーサリアムロードマップ

イーサリアムプロジェクトは数度のアップデートによって完成するプロジェクトとなっています。このアップデート計画はイーサリアムロードマップとして一部公開されており、主にはセキュリティの強化、PoWからPoSへの移行、取引速度の向上などが段階を踏んで改善されていく計画となっています。

イーサリアムロードマップ
時期バージョン名称
2015年5月バージョン0オリンピック
2015年7月30日バージョン1フロンティア
2016年3月14日バージョン2ホームステッド
2017年10月16日バージョン3メトロポリス(ビザンチウム)
未定バージョン3.5メトロポリス(コンスタンティノープル)
未定バージョン4セレニティ

現在はバージョン3のメトロポリスから3.5に移行する場面ではありますが、3で予定されていたDifficulty Bomb(ディフィカルティボム)の実装は発動時期が延期され、計画通りに進んでいない状況となっています。

このディフィカルティボムはマイニングの難易度を調整する仕組みであり、PoWによる承認からPoSへと移行するために必須のアップデートとなっています。問題視されるマイニング消費電力に対する解決策として期待されていたPoSではありますが、イーサリアムへの実装はまだ先になりそうです。

イーサリアムとビットコインの違い

・発行上限枚数が決まっていない
ビットコインは発行上限が2100万枚となっているのに対し、イーサリアムは上限がありません。

・スマートコントラクト
契約情報までをブロックチェーンに書き込むことで一手に契約の実行までを行うスマートコントラクトをイーサリアムは機能として実装しています。

・コミュニティの力が強い
イーサリアムには多くの開発者がおり、彼らのコミュニティによる会議によってアップデートが決定されます。

マイニングとは

ビットコインやイーサリアムなどの仮想通貨はProof Of Workというアルゴリズムを利用して運用されています。

これは、ビットコインであればおよそ10分の取引を一つのブロックにまとめ、その承認のために膨大な量の計算を行うことでデータの改ざんを防ぎ、中央管理機関なしでの信頼性を担保する仕組みです。

この計算を行い、適切な値をいち早く見つけたものにインセンティブとして新しく発行されたビットコインが付与されます。承認作業と発行作業を同時並行で行いシステムを動かしていくこの仕組みをマイニングといいます。

ICOとは

ICOとはInitial Coin Offeringの略称。企業等が電子的にトークン(証票)を発行して、公衆から資金調達を行う行為の総称です。トークンセールと呼ばれることもあります。
(金融庁H29 10/27注意喚起資料より)

ICOとイーサリアム

ICOにはイーサリアムやNEMなどの仮想通貨が利用されることが多く、ビットコインやリップル(XRP)はあまり利用されません。

これは、ICOおよびその発展となるDAOが資金移動以上の情報を移転することを必要としているため、スマートコントラクトを実装したイーサリアムが利用しやすいことにあります。

では、今回の45%減の原因はなんだったのでしょうか。

下落の原因① マイニング報酬の減額

イーサリアムマイニングの報酬額を現在の3ETHから2ETHへの減額

イーサリアム共同開発者のビタリック・ブテリン氏の2017年の計算によると、ETHの供給量が1億に到達するのは2100年周辺となっておりましたが、CoinMarketCapによると現在の供給量はすでに1億ETHを超えており、予想を遥かに上回っております。

引用: fin-alt.com

イーサリアムコミュニティ内でも、現在の3ETH/15秒のマイニング報酬額が多すぎるため、インフレ率が過度に上昇しETH価格の下落が加速しているという見方が強く、以前よりマイニング報酬額の減額が議論されていました。 マイナーにとってはおよそ33.3%の報酬減額になるため反対する動きもありましたが、インフレ抑制によるETH価格上昇を見込み今回のミーティングでは参加したマイナー側も減額に合意した格好となりました。

引用: fin-alt.com

下落の原因② 複数ICOプロジェクトによる売り圧力

売り圧力とは、相場における売り方のこと。投資家などの市場参加者のうち、売りに参加している勢力のこと。売り圧力が強いと相場は下降する。

引用: finance.iglossary.net

ICOs have nearly tripled the amount of eth sold a day during the past 24 hours according to data from Santiment, with ◊13,500 entering the market while usually it was about ◊5,000 and as low as ◊1,000 recently.

引用: www.trustnodes.com

Santimentのデータによれば、普段1000~5000ETH/日の売出しに対して、9月6日の24時間の間に13500ETHが売り出されたとされています。

これは複数のICOプロジェクトによるETHの売りが集中したことにあり、多くのETHを集めるICOが重なるとこのように売り圧力の上昇を招き、価格の下落へと繋がることを表しています。

まとめ

今回の価格の下落は、仮想通貨全体の規模縮小も一因ではあります。

それに加え、スマートコントラクト機能を持つイーサリアムがICOの売りの影響を強く受ける通貨であること、発行上限が決まっていないため発行する度に価格が下落してしまうことが大きな要因となり、他の通貨に比べて大幅に規模が縮小したものとみられます。

ICO

ICOプロジェクトのために多くのETHが事業者に集中。
集中したETHを一度に売却するなど多額の売りが行われる。
売るときは高い値段からだんだん低い値段を提示していき、価格が決まるため全体としての価格は下がっていく。
売られるETHが多いので市場に与える影響も大きく、大幅な価格下落に繋がる。

発行上限が未定

ETH全体に対する価値は変わらないため、発行枚数が増えれば単純に1枚ごとの価格は下落する。
さらに、発行時にマイニング報酬を支払うためその分イーサリアムプロジェクトから資金が減少していく。
また、報酬捻出のためにETHを売る必要がある。
売りが増えれば、ICOの場合と同様に価格は下落していく。

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