12月は価格上昇の傾向が強い月
仮想通貨が最も盛り上がったのはいつでしたでしょうか?それは2017年末から2018年初頭まで。ビットコイン価格は240万円、リップルは400円へと上昇を見せました。
実はこの年末から年初に価格が上昇する現象は毎年のように起こっています。さらには、株式価格においても過去データを基にすると7割の確率で価格上昇が起きていることがわかるのです。
この年末年初の価格上昇について、これまでのデータと傾向、そして理由についてまとめてみました。
日経平均株価も7割の可能性で12月に上昇

▲過去15年の日経平均株価の推移

▲12月にフォーカスしてみると…
・減少 2回
・微減or横ばい 3回
・上昇 10回
過去のデータから見るとおよそ67%の確率で12月に株価は上昇
さらに…
10月から12月にかけては上昇傾向となることが多い。
この傾向のことを「掉尾の一振(とうびのいっしん)」と呼びます。
特に12月下旬は上昇傾向がかなり強い -掉尾の一振

▲11月から1月にかけての日経平均の推移傾向(2004~2017)
仮想通貨においても同様の傾向

▲11月から1月にかけてのビットコインの推移傾向(2013-2017)
5年分の仮想通貨の価格推移の傾向をみると、株式価格に比べ下旬に限らず中旬から高い上昇率での上昇がみられます。
掉尾の一振が起こる理由とは
売り圧力の減少、新年相場への期待買い、ドレッシング買い(お化粧買い)の増加の3点が主な理由と言われています。
1. 売り圧力の減少
売り圧力とは売り注文が増加することにより価格が下落していくことを言います。
12月、特に年末にかけては所得金額の確定時期となるため、
・含み損のある株式
→売る →売り切った結果年末には売るものがなくなる
・含み益のある株式
→税金の問題があり、売る量に制限がかかる。
となり、年末に近づくと売る場合のほうが少なくなります。
売りが減少することで、買いが相対的に増加し価格が上昇しやすくなります。
2. 新年相場への期待買い
1月効果と呼ばれるように、株式のパフォーマンスは1年の中で1月が最も高いと言われています。
所得確定を終え、新規資金流入の増加などが原因とされており、この株価上昇の傾向を利用して年末時に買いを入れ、仕込んでおく「期待買い」が増加しています。
3. ドレッシング買い(お化粧買い)の増加
*買い注文による時価総額の上昇→ファンド成績をよく見せる
年金基金や投資信託の運用ファンドは月末に決算を行うことが多く、時価総額を上昇させることは運用成績の上昇を示すのに不可欠。
そこで、運用会社が株式購入を行うことなどによりファンドをより良いものに見せるドレッシング買いが行われる。
この買い注文により相場が上昇すると言われている。

▲掉尾の一振が起こる理由
掉尾の一振が起こらなかった年は何が原因?
2015年
4月に2万円台に回復し、利確売りが目立ったか
2014年(微減)
12月以前に株価上昇しており利確売りの圧力が買い圧力を上回ったか
2007年
サブプライムローンの問題が表面化し、米国景気の失速懸念による下落
まとめ
市場の冷え込みが連日報道される仮想通貨市場。2018年11月下旬には30%から40%の下落となり昨年同時期の価格とほぼ同じ価格になっています。
2017年ほどの急激な上昇は見込みにくいものの、今年も例年の傾向が続けば価格上昇のフェーズに移行する時期といえます。
例年の上昇率から計算すると、現在価格45万円から10%の上昇は堅いのではないかと推測することができ、年末大晦日には50万円台、昨年並の上昇率となれば75万円程度というのが予想できる価格といえるでしょう。